2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

戦後史学における歴史否定の問題とその相克(中篇)

五 「先祖に対して抱く共通の誤解」も必要 「民族とは、先祖に対して抱く共通の誤解と、隣人に対して抱く共通の嫌悪感とによって結び合わされた集団である」、との言がヨーロッパにはある。一般にこの言葉は、所詮は民族なるものは幻影にすぎないとの例証と…

山路愛山研究(その三) 英雄論に見る明治人の人間観

(前回の補足説明:文明は「手段」か「目的」か) 1 前回、文明を「手段」と見るか「目的」と見るか、この二つの対立が明治思想家の間であったということを述べた。しかし、あれだけでは非常に分かりにくく、ラフすぎる。 福澤諭吉は明治八年(一八七五)、…