2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

山路愛山研究(その二) 文明批判と近代人の本質

――愛山における一番の優先順位は、国家共同体に他ならず、これらを破壊するのは近代文明と認識していた。 四 文明は手段なのか目的なのか、近代日本二つの視点 前号は、ざっと山路愛山の共同体思想における一番の要所といってよい「社会三元論」を紹介した。…

戦後史学における歴史否定の問題とその相克(前篇)

一 ヘーゲルか、ディルタイか? 「あらゆる歴史は、過去である」 「あらゆる歴史は、現代史である」 ここに二つの文章を設定してみた。前者は、広辞苑による歴史の定義、すなわち歴史とは、「人類社会の過去における変遷・興亡のありさま」から必然的に導か…